この広い家に俺は一人で暮らしていた

両親がいないのも慣れちまった…

ってか、死んじまったら文句の1つも言えねぇ……













禁じられた   〜第1章〜



















ザザザァァァ―――――……



雨の音にむくっと起きる男一人   犬夜叉。
まだ眠いのか、座ったまま動かない。


ねみぃ〜…


そのままパタンと体を倒した。
そしてそのまま眠りに入る。

























「…やしゃ!……犬夜叉!!!!!!!!!」


耳元で大声で叫ぶ男   弥勒。


「いい加減起きなさい!学校行く時間ですよ!!」


そう言って犬夜叉の布団を剥がす。
犬夜叉は明らかに不機嫌な顔で起き上がる。


その様子を見て弥勒は、ハンガーにかけてある制服を犬夜叉の方に投げた。


「さっさと着替えてください。もうすぐ珊瑚が来ますので♪」

はいはいと言わんばかりにゆっくりと着替え始める。





















「法師様〜犬夜叉〜〜!!!」

犬夜叉と弥勒が学校に行くべく、犬夜叉の家の前を出る。
その時、向こうの方から声がする。
声の主は弥勒の彼女   珊瑚だ。



「おはようございます。珊瑚♪」
「おはよう。法師様」


「珊瑚、法師様と呼んでくれるのは嬉しいですが、そろそろ下の名前で呼んでくれてもいいですよ。」



そう言いながら珊瑚のお尻に弥勒の手が伸びてくる。

「遠慮しとくよ。法師様♪」

珊瑚は伸びてくる手を払いのけた。

「あっ犬夜叉もおはよう。」




付けたしかよ…


犬夜叉は珊瑚を無視したまま学校の方向に歩き出した。


「相変わらずだね。」
「犬夜叉らしくていいじゃないですか。」


珊瑚と弥勒は犬夜叉の後ろを歩き始めた。











「あっっ!!!!!!!!」


歩き始めて早5分。
珊瑚は弥勒の隣から犬夜叉の隣へ移動した。


「あのね犬夜叉。お願いがあるんだけど…」

珊瑚の問いかけに面倒臭そうに珊瑚のほうに目をやる。

「…なんだよ。」
「えっと、私の友達でアルバイトしたいって言ってる子がいるの。」
「だから何なんだよ。」
「ほら、犬夜叉って前に家政婦さんを雇おうか言ってたじゃない?
 その子ね、とっても家事が上手なの。
 それでね、お金に困っているみたいだし…」





「却下」




そう言ってスタスタと歩く。

「どうしてさ!!」
「別にいいだろ。今はそんな気分じゃないんだ。」



その言葉に顔を伏せて、立ち止まる。

珊瑚は顔に手をやり、その手からは光るものが…。


「私の珊瑚をどうして泣かすんですか!!!」

犬夜叉はピタッと止まり、珊瑚のほうに顔を向ける。

「ヒ…クっ、ヒ……ク…」

「お、おい。珊瑚…?」

「お願いだから…っク…面接だけでもしてぇ〜…」
「さぁ!!!犬夜叉!!!!!!!どうするんですか!!!!!!!!!」


いつの間にか周りには人込みが。
犬夜叉はため息を一つして、分かったと小さな声で言う。







「本当だね!!!!!!!!!!」




パァ〜と輝かしい顔を上げる珊瑚。
その姿を見て犬夜叉は静止する。

「お前っ泣いてたんじゃなかったのか!!??」

「私が泣くわけないじゃん♪」

してやったりと誇らしげな顔。


「それぐらい見向けないなんて。犬夜叉もまだまだですね。」
「だねっ」


そう言って学校へ止めていた足を動かし始めた。
犬夜叉はポッカ〜ンと立ち止まったまましばらくは動きませんでした。


























しぴの戯れ言

パラレル第1弾!!!!
まだかごやんは出てきてませんが、大体お分かりですよね?
次回に犬夜叉とかごめは運命的出会いをする予定です。
あくまで予定で・・・


   

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